大切な人をおくるということ

湯灌の儀は、故人様が「新たな旅立ちの身支度をする儀式」として、日本各地で伝統的に受け継がれています。地域によって慣習やそのスタイルこそ異なりますが、故人様に対する想いを伝えるという大切な意味合いは、今も変わることなく「湯灌」の根底に流れています。

1960年~1970年代にかけての高度成長期以来、核家族化や生活スタイルの多様化等が進み、それに伴って葬儀のスタイルや考え方も大きく変わってきました。葬送儀礼のひとつである湯灌もまた、現代の様式に合わせた形に少しずつ変化しています。
時代が経過する中で、たとえ様式が変わっても、共に過ごしたご家族が真に故人様と向き合い、心からの想いを伝える大切な時間として、湯灌の儀式の大切さは今再認識されています。

故人様の人生を尊び、新たな旅立ちへの準備をすること。
家族にとっても、故人様とのゆっくりとした時間を共に過ごし、最後の「ありがとうの想い」を伝えること。
これらが「湯灌の儀」に込められた大きな二つの役割になっています。

温かな気持ちで故人様と向かい合える湯灌は、大切な人との想い出を深く心に残すことができると共に、命の大切さや人の生涯について、改めてその本質を教えてくれる儀式とも言えます。